今回の劇場版のラストで、
紅莉栖がショタリンの記憶改変(植え付け)を行いました。
岡部にとって忘れられない、凶真誕生の瞬間であり、まゆりを救った記憶を思い出すと、
ファーストキスの忘却されにくい記憶を連鎖的に思い出すようにして違いを実感させることにより、岡部を元に戻すことに成功したわけですが、普通にここで思うのが、
『過去の記憶を改変したからわずかでも世界線がずれてSGから外れちゃうでしょ?』ということ。
SGが1.048596ではなくて正確には前後数%までがSGですとか、1.0485960~1.0485969までなのでその範囲で移動しました、とか言われてしまったらそれまでだが、単独で不安定だからR世界線がらせん状に安定するように走行しているように言っていたのでそんな
ご都合主義は今回は除外で。
なぜ
『記憶の改変は世界線移動にならないのか』を考える前に、まずし移転を逆にしてみてみましょう。つまり、
『何をすれば世界線変動するのか』ということをはっきりさせる必要があります。
まず、これまでの経緯で世界線が移動する過去改変が行われた事象を簡単に復習しましょう。
・Dメールが送られたことによる行動の変化
・タイムマシンによる直接介入ここで、
タイムリープによって数値が変動したことが無いことを思い出してください。
タイムリープを行い、
記憶の改変(追加)が行われて、岡部の思考が変化しても、
数値上の世界線は移動はしませんでした。つまり、
記憶(思考)の改変自体には変動のファクターにはなりえません。Aが頭の中でBを憎んでBを殺しても、本当は殺したくないのに仕方なく殺しても、
世界線的には同一であると判断されてしまいます。
アンダーリンの鈴羽も、頭の中でα鈴羽とγ鈴羽どちらの考えがあろうとも、それを表に出さずに同じ行動をしていれば、岡部にはわからず結果に影響を及ぼさないのもこの例にはいると思われます。
次に、
行動変化について考えてみましょう。
Dメールを受け取った人間の
行動の変化によって世界線はこれまで動かされてきました。しかし、
タイムリープによる記憶情報の追加によっても行動は変化していますが世界線移動は起きていません。では本編で鈴羽が言うように
タイムリープではダメでDメールならOKなのか?しかしその鈴羽の発言には裏づけとなる根拠が足りません。現にDメールでも、ダルの雷ネット戦術変化という
行動変化があったにもかかわらず
世界線移動はしていません。つまり
行動変化自体も、変動のファクターとはいえないのです。
ダルが真正面からフェイリスに挑むものの負けるのと、フェイリスの手札を知っていて裏をかくも実力不足で負けるのも同じです。
では変動したものとしなかったもの、何が違かったのか?
答えは
『結果』です。
当たり前のことを言っているように聞こえますが、これが変化することが世界線変動のファクターです。
記憶(思考)変化→行動変化→結果の変化の有無につながるわけです。
更に言えば記憶(思考)の変化に至っては無くても行動の変化は起こり得ます。
アトラクタフィールド理論は
確率論の代表格である量子論の理論を内包しながらも、収束という確定論的な部分も内包しています。ここで
行動は世界線内確率論の範囲、
結果は確定論に相当します。
今でこそタイムリープ後の行動の変化はわずかな世界線の違いという解釈が多いですが、
世界線内には一定範囲の確率的な振れ幅があり、その範囲の変化は同一のものとみなせるため、行動の変化が起こりえるのだと思われます。その
行動が一定の振れ幅から外れたとき、結果が変化するものと思われます。
話が少しずれましたが、とりあえず記憶の改変単独では世界線は移動しないことは上記のとおりです。では本来の問題に戻ってみましょう。
ショタリン時点での記憶の変化はその後の行動にどう影響するのか?まず本編では、
エンジェルラダーの錯覚がまゆりを救うきっかけになりました。そして改変後では、
紅莉栖の後押しがきっかけになりました。しかし、
記憶(思考)に相当する部分は改変しましたが、まゆりを救うという
行動・結果には影響はしませんでした。
つまり
確率的範囲内ということになり世界線の変動はしなかった、ということになりますが、ここでまとめてしまうと納得できない人が多いと思います。
岡部のまゆりに対する見方や、
鳳凰院凶真の発祥(というか発症)の由来が変わって、
現在の岡部の本質までもが変化してしまうのではないか?ここで前回考察したRSの出番です。前回の結論として、
・世界線が変わると記憶が改変される
・デジャヴは他の世界線の記憶を受信する
・デジャヴの感受性には個人差がある。特に程度の強い現象をRSというをあげたわけですが、まず今回は
世界線の変動が無いので
記憶改変自体は一切起こっていないと思われます。そして、
デジャヴにより最も近い世界線(R世界線の岡部から見るとSG世界線)の記憶を
受信します。つまり、
まゆりに対する思いや鳳凰院凶真の本質は本編を通ってきた岡部の記憶をベースに
、紅莉栖の介入の記憶だけデジャヴで観測しただけの状態にあると思われます。
一応これでつじつまは合わせたと思いますが、まだまだ別の解釈も存在する余地がありそうな内容ですね。
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随分前の記事に対してコメントすみません。
劇場版考察とは全く関係がないのですが、タイムリープの原理と世界線変動について疑問に思うところがいくつかあったので質問させてください。
タイムリープの原理については、意識を飛ばすのではなく過去の自分が「未来の記憶を思い出す」という風に公式でもアンサーされているのは存じています。
そこで疑問に思ったのが
「タイムリープをした元の人間あるいは元の世界はその後どうなるのか」ということです。
①タイムリープを実行した瞬間にその世界はなかったことにされ、タイムリープ先の世界がアクティブになる。
②タイムリープを実行した瞬間に世界線が移動しRSが発動する。
③タイムリープを実行しても現存の世界線はなくならず、そのままタイムリープ元世界線で生き続ける。
①はそのままの意味なのですが、岡部は他人がタイムリープをして結果を変えた場合にはRSが発動していますが(本編ルカ子ENDなどです)、RS持ちの岡部自身がタイムリープを実行した場合には世界の時間はそこでストップされ、タイムリープ先の世界がアクティブとして構築されると考えます。そして擬似的に意識も飛ばした状態になると私は解釈しています。
②の解釈は、結果が変わらなかった場合にRSが発動しないことを考えるとありえないと思うので無視して頂いても良いのですが一応。
③については「ドラえもんのどこでもドア理論」と同じような考え方です。過去に記憶を飛ばしても行動するのは過去の自分自身なので、タイムリープ元の世界はなくならず、タイムリープを実行した人はそのままタイムリープ元世界で生き続けるというような解釈です。
僕が支持したいのは①なのですが、いかがでしょうか・・・。
最近気になって夜も眠れないのでお考えをお聞かせ願えればと思います。
よろしくお願いします。
>ジャンクさん
まず前提として、
Dメールと同じように、タイムリープが行われた瞬間、世界線がほぼ必ず変動します。
その際、
タイムリープ先で世界線を大きく変える行動をとる場合は変動数値が大きく、ほとんど影響を与えない場合は微細変動にとどまります(Dメールでいうところの、送信履歴は消えて世界線が変わっているが全員記憶保持)。
これは、本編で岡部がタイムリープを目撃する以下の2例を見るとわかりやすいかと思います。
1、ルカ子ルートのルカ子のタイムリープ
2、0.523307(ブラウンの自殺を綯が目撃する世界線)での繰り返しタイムリープ途中の綯様
1はそのままご指摘の通りです。
2は、跳んだ瞬間は直接は目撃していませんが、無人のラボで放電が起きているのを階下から岡部が見つけている状態ですが、直ぐにラボに向かってみても
綯の肉体も、タイムリープマシンを起動した形跡もありません。
これは、
タイムリープを行った瞬間に、その時間にタイムリープを行う必要のない世界線に微細変動しているからです。
岡部を脅した後の綯が再びタイムリープを行わない理由は、綯は0.523307においては、ブラウン死亡直後に岡部をお脅した後2025年まで過ごし、タイムリープを2010年まで行い、また2025年まで過ごし…という行為を半永久的に繰り返していますので、48時間おきの各タイムリープイベントは再び綯が2025年に到達するまで消失しているためです。
よって、
②タイムリープを実行した瞬間に世界線が移動しRSが発動する。
は、RSが発動する程度は別として、
世界選は移動しているので、真であるといえます。
次に、
①タイムリープを実行した瞬間にその世界はなかったことにされ、タイムリープ先の世界がアクティブになる。
についてですが、
言葉通りで見るならタイムリープをした時点で上記の通り世界線は微細変動するので、タイムリープ元の世界線はなくなり、タイムリープ者もタイムリープしていない者も同じ変動先の世界線の過去と未来に移動します。
多分これは世界線ではなく、
どちらの時間がその世界線の中心なのかということが気になっていると思いますが、
人間個人の感覚でいうならおおむねジャンクさんの解釈でいいとおもいます。
実際には時間は過去から未来までっ前後関係なく同時に存在するものなので、
各人間の意識が感じる現在が同じ時間に揃うまでストップすることも、必要もありませんが、この辺りは深く掘り下げる必要ないと思いますので省きます(つ・ω・)つ
紅莉栖は、意識と記憶は別物と予測しているため、記憶を跳ばすタイムリープで意識も付随して跳ぶととは思っていなかったようですね。
少なくとも、世界線xの岡部がタイムリープして世界線yになり、同じタイムリープポイントまで戻ってきても
xの記憶が世界線yに上書きされていない(タイムリープしてからの行動の記憶を忘れていない)ところを見ると、タイムリープし終わっ
た記憶xの岡部の意識はタイムリープした瞬間にyに移っているか
、リーディングシュタイナーを発動する力が失われているかのどちらかなのは確実だと思います。
③タイムリープを実行しても現存の世界線はなくならず、そのままタイムリープ元世界線で生き続ける。
については、
本来リーディングシュタイナーがなければ意識が跳ぼうが跳ぶまいが、記憶ま全く同じになり、過去の自分に意識があろうと哲学的ゾンビが代役を担おうと行動は同じであるはずなので、微細変動後の世界でタイムリープした後の記憶を自動で持たされて生き続けているとも言えます。しかし、上記のようにRS持ちの岡部の例を考えると、
RS持ちでなくてもタイムリープしたのであれば、意識というものが存在するのであれば記憶に付随押して過去に跳んでいる可能性が高い、と言えますね。
以上が現状での私の考えです。長くなって見づらいかと思いますが申し訳ない(‘・ω・´;)
本当は図説できればいいんですが。。
>>あるてさん
丁寧に解説してくださいありがとうございます。
>>多分これは世界線ではなく、どちらの時間がその世界線の中心なのかということが気になっていると思いますが、
そうなんです、私が一番気にしていたのはそこなんです!ゲーム及びアニメ等では岡部がタイムリープをした瞬間に我々の視点も同時に過去に移動していたので、あたかも「意識そのもの」も同時に過去へ飛んでいるように見えたんです。今回はその真意が知りたく質問させて頂きました。
>>少なくとも、世界線xの岡部がタイムリープして世界線yになり、同じタイムリープポイントまで戻ってきてもxの記憶が世界線yに上書きされていない(タイムリープしてからの行動の記憶を忘れていない)ところを見ると、タイムリープし終わった記憶xの岡部の意識はタイムリープした瞬間にyに移っているか、リーディングシュタイナーを発動する力が失われているかのどちらかなのは確実だと思います。
→言われてみればそうですね。もしタイムリープした瞬間に変動の大小の差はあれどRSが発動するならば、世界線yの記憶はxに上書きされてしまいタイムリープ後の行動を忘れてしまいますね。
となると仮説として、あるてさんの仰る「タイムリープした瞬間に意識も過去へ移る」か、「RSの効力が失われる」の二つが有力なように思います。
私は意識も過去に移動する前者を支持したいですねぇ....(そのほうがロマンありますし)
あるてさんのおかげでだいぶ謎が解けてきました。本当にありがとうございます。
また、私の認識に違いがあるようでしたらどうぞご指摘ください。
>ジャンクさん
お役に立てたようでよかったです。
私も意識を跳ばすほうが辻褄が合いやすいので、主軸に考えています。
公式や紅莉栖の見解は。
【あくまで理論上は】記憶だけを跳ばす装置ってことにしておきたいところですね(つ・ω・)つ
かなり前の記事にコメントすみません。
あと自分はアニメしか見てないため知識が乏しいですがご了承を。
タイムリープについての疑問です。
タイムリープは過去に記憶だけを飛ばす装置ならば、その後の演出としてはDメールと同じように、「タイムリープマシンを使った次の瞬間に、世界線が変動しRSが発動され、前の世界線までの記憶を持ったオカリンが居る」のが正しいのでは、と思い考察を探していました。
つまり、記憶を飛ばした後に、記憶を受信した過去の自分がどう行動したのかを覚えているのはなんでなんだろうなと。
記憶だけではなくオカリンの意識(主観)も飛んでいたのか、あるいはタイムリープではRSが発現しないのか。
なんでこのことについて書いてる人が全然いないんだろう…ゲーム本編で解説されてるのかな、ともやもや考えながらこのサイトにたどり着きました。
サイト主さんのコメントを読んで、やはりオカリンの意識(主観)自体も過去に飛んでいたか、なんらかの理由でRSが発現していないんだなーと腑に落ちました。
ありがとうございました。
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