スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

へっぽこ物理学:10^-24kgと10^-19mとは

【へっぽこ物理学】とは?
steins;gate内で展開される、物理学に代表されるの理論について考察していくコーナーです。
あくまで現実に実在する理論・解釈に沿って行うため、アトラクタフィールド理論などはこの場合除外されます。
また、現実には理論構築が未完成の理論や解釈も多々含まれますが、あまりにもトンデモな範囲でない限り、それらの理論も交えて考察をしていきます(そうでもないと量子論すらも扱えない)。

また、筆者である私は、専門的な物理学どころか高校レベルの化学物理すらもサボっていた似非理系です。
ですので、このコーナーは専門的な考察ではなく、あくまでsteins;gateの作品に振れてきた中で、私が気になって調べたり考えたりしたことをまとめてあるだけのものです。
もちろんミスや誤解釈もあるかと思いますので、ご了承ください
殆どの事はsteins;gateのwikiなどで有志の方が説明・考察をまとめて下さっていますが、それを読んでもなお疑問が解けなかったものを中心に調べてみました

※専門的に学んだ方からすれば初歩的な部分も、(私自身の理解の確認のために)可能な限りじっくりと確認しながら解説していきます。

その他の考察・解説はこちら
STEINS;GATE シュタインズ・ゲート まとめwiki
Steins;Gate/シュタインズ・ゲート 攻略・考察Wiki

今回は、本編の紅莉栖がゼリーマンについてダルに説明する際のセリフより、
『10-24kgの質量を、10-19mのところに押し込んで過去に送る』
という部分について考えていきます。

これは、簡単に言えばダルと紅莉栖が代弁してくれている通り『凄く狭いところに無理やりねじ込む』ことです。
ここで私が気になったのは、この数字についてです。

10-24kg 10-19m

これは何を意味する数字なのか?
その答えを出す前に、まずは2人が何の話をしているかを整理してみましょう。

状況は、SERNへのハッキングによりゼリーマンズレポートと、Zプログラムについての情報を入手した状態です。
SERNは、LHCによるカー・ブラックホール生成を利用して、タイムトラベルを実現しています(実現可能云々は主題と異なるので無視)
ブラックホールは、ある質量シュバルツシルト半径と呼ばれるサイズ以下に圧縮することで生成されます。
物質は同じサイズで見ると大きい質量ほど物をひきつける重力が増していきます。つまり、同じ質量ならサイズが小さいものほど重力が強くなります
重力は物質のみならず光にも影響を与え、重力が強くなると中心への降下速度が光の速度よりも早くなり、光さえも脱出できない状態になります。この時の質量に対する大きさがシュバルツシルト半径であり、その境界面のことを事象の地平面と呼びます。
そのシュバルツシルト半径(rg)を求める式が以下になります。

rg=2GM/c2

G=万有引力定数(6.673 84(80)×10-11m3s-2kg-1)≒6.7×10-11m3s-2kg-1
M=質量
c=光速度(299,792,458m/s)≒3×108m/s


試しに、wikiなどでブラックホール関連のページでよく見る地球のシュバルツシルト半径を求めてみましょう。
約9mmだそうですが、この式ではどうなるでしょうか。

ちなみに地球の質量は5.973 6×1024kg≒6×1024kgです。


rg=2(6.7×10-11m3s-2kg-1)(6×1024kg)/(3×108m/s)2


簡略化するために分母と分子をそれぞれまとめると、

=80.4×1013m3s-2/9×1016m2s-2

そして分子を分母で割ると、

=8.93×10-3m≒9mm

となります。

確認が終わったところで、この計算式を踏まえて話を進めていきましょう。
まず、紅莉栖の説明で言う質量について。
10-24kgが何の質量なのか
これはおそらく、話の流れから推測すると水素(H)だと思われます。
もっと厳密に言うと、水素を構成する原子核の陽子の質量です(水素原子は、同位体を無視すると陽子1つと電子1つの構成)。
SERNはLHCを使ってブラックホールを生成します。LHCは、極限まで加速した陽子線を反対方向からぶつけることにより、高エネルギーの反応を生み出す装置です。
よって、ブラックホール生成に用いられる物質もこの陽子であると考えられます。
しかし、ここでひとつの大きな問題が浮上します
実は、10-24kgだと、水素(陽子)の質量と単位がずれてしまうのです。

実際に計算して見ましょう。
水素原子の原子量=1.00794(7)g/mol≒1g/mol
アボガドロ定数=6.022 141 29(27)×1023mol−1≒6×1023mol−1
原子量は1molあたりの質量なので、1個あたりの質量を出すために、アボガドロ定数で割ります

1g/mol/6×1023mol−1
=0.166...×10-23g≒1.67×10-24g


となります。
そう、単位がkgではなくgなんです。つまり、
=1.67×10-27kgが水素原子の質量になります。
※ちなみに陽子は、水素から電子の質量9.10938291(40)×10−31kg≒1×10−30kgを引いた値。
比較しやすくすると、
=0.001×10−27kg程度の差なので、≒としてみても問題はありません。


さて、この差1000倍は単なる設定ミスでしょうか?それとも水素(陽子)ではないものを想定しているのでしょうか?
仮に陽子ではなく、原子量(分子量)1000のものを想定していた場合、それは鉛やウラン、ブドウ糖などの3倍ほどの質量になります。
流石にこの大きさのものをLHCで扱うことは出来ないかと思われますので、前者が正解なのかもしれません

と、ここでいったん切り上げたんですが、もう1つの可能性を考えてみました。
LHCは陽子を加速させることによって最大7TeV(テラエレクトロンボルト)のエネルギーをもたせることが出来るそうです。
1eVは1.602 176 565(35)×10−19J≒1.6×10−19Jですので、7TeVならばその7兆倍、1.12×10-6Jとなります。
これを、エネルギー質量の等価性を示すアインシュタインの式に代入すると、

E=mc² J=kg・m2/s2
1.12×10-6J=m(3×108m/s)2
m=1.24×10-23kg


となり、10-24kgに大分近づいた値になります。
しかしこれは、実際にはエネルギーを質量に換算しただけで、圧縮される質量自体は陽子のまま扱われるのか、エネルギーを質量に換算した値を実際の質量として考えるのかまではわかりませんが。

間違っている場合はご指摘いただけると幸いです。

さて、話を戻します。
仮に1.67×10-27kgを軸として話を進めていきましょう。
これを先述のシュヴァルツシルト半径の式に代入してみましょう。今回は途中式は簡略化します。

rg=2(6.7×10-11m3s-2kg-1)(1.67×10-27kg)/(3×108m/s)2
=1.24×10-54m


さあ、ごらんの通りものすごく小さい数字が出てきました。
これがどのくらい小さいのかを比較したいところですが、残念ながらここまでくると比較対象が存在しません
プランク長といわれるプランク単位系の長さが1.616 199(97)×10−35mですが、これ以下のサイズでは今現在物理学的に意味を持つものは知られていないそうです。(私はプランク単位系については正確な理解は出来ませんでしたので、説明も控えさせていただきます。)

さて、この1.24×10-54mという値、またもや紅莉栖の説明と大幅なずれがある・・・かと思いきや、これには理由があります。
大体この手に関する説明はどこも同じで、
『LHCでは10の-24乗kgに相当する質量を10の-19乗mという狭い領域に集中させる事ができる。
従来の重力理論では、10の-24乗kgの質量を10の-51乗mまで圧縮しないとブラックホールにはならなかった。
しかし、超ひも理論のブレーンワールド仮説が正しければ余剰次元理論で、10の-18乗m程度でブラックホールが形成される。』
という文章が出てくるかと思います。
steins;gate まとめwikiも同じですね。

さらっと流されていますが、余剰次元理論とかブレーンワールドについての説明がなされていません。
というわけで調べてみました。

後半はこちら
スポンサーサイト
[ 2013/07/31 01:48 ] へっぽこ物理学 | TB(0) | CM(0)





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。